イソフラボンのチカラIsoflavone

うれしいお話その1:いやな「ほてり」を抑えるのに役立つ

不快な顔のほてりが軽くなる

イソフラボン摂取によるホットフラッシュの減少

更年期に伴う不定愁訴で最も多いのがホットフラッシュと呼ばれている“顔のほてり”です。日本女性には比較的少ないといわれますが、アメリカ人更年期女性はこれがひどく、発症率は日本女性の8倍にのぼるといわれます。
それだけに熱心に研究がすすめられていますが、このホットフラッシュの改善に、イソフラボンが有効と期待されているのです。
一つの研究では、更年期女性に毎日約90㎎(配糖体=アグリコン換算約56mg:以下すべてアグリコン換算値)のイソフラボンを摂取してもらい、ホツトフラツシュの回数を調査した結果、調査開始時には1日6回だったのが、12週目には3.5回まで減少することが確認されたとの報告があります。

(Maturitas, Vol. 21, 189-195: 1995)

岐阜県・高山市民の大規模調査でも判明
イソフラボンを多く摂るグループの“ほてり”発症は、少ないグループの半分以下

イソフラボン摂取量と「ほてり」の発生率

岐阜大学医学部が、高山市民3万人を対象に、1992年に開始した「健康と食習慣調査」という大規模な調査があります。食品の摂取と健康の関係を長期間にわたって追跡する疫学研究(前向きコホート研究※)です。
「高山コホート研究」と呼ばれるこの研究では、大豆食とホットフラッシュ発生の関連についても調べています。1992年開始時に食事内容を分析・把握している対象の中から1500人(1106人回収)の女性を対象に、6年後の1998年に追跡調査をした結果、大豆イソフラボンの摂取量が最大のグループ(イソフラボン摂取量50.8mg)は、最少のグループ(摂取量20.5mg)に比べてホットフラッシュの発生率が半分以下(0.42)で済んでいることが分かりました。

(Am J Epidemiol., 153(8), 790-793: 2000)

※前向きコホート研究とは

疫学研究には、様々な手法がありますが、ある地域の住民など、大きな集団を長期間追跡する調査方法を「コホート研究」といいます(cohort;隊、団、グループ)。
「前向きコホート研究」とは、まだ病気になっていない健康な人達を対象にスタートして食生活や生活習慣などを調査した上で、その集団を「前向き」に追跡調査して病気になった人を確認し、先に調べた要因が健康(や発病)にどう結びついたかを調査する方法です。
これとは逆に、既に病気になった人を対象に、その人達と性別や年齢の揃った健康人と両者の生活習慣の違いなどを調査して、何がその病気の誘因になったかを調べることを指して「後ろ向き調査」といいます。

ホルモン補充療法をためらう人のために

最近、日本でも更年期障害の治療に女性ホルモン療法(HRT)がとり入れられるようになってきました。日本ではまだ2~3%とされますが、欧米では更年期の女性の30~40%がこの療法を受けているといわれています。
しかし、さきにアメリカで実施中の大規模試験が5年を経過した時点でリスクが効果を上回るとして中止されたことなどもあり、ホルモン剤を飲み続けることに、不安を抱く人は少なくありません。現にアメリカでも更年期女性の大半が、女性ホルモン療法に代わる療法を求めている、という報告もあります。
その点、イソフラボンは、副作用などの心配もなく安心してとり入れることができますから、どうしてもホルモン剤に頼らなければならない診断がない場合は、まずイソフラボンの摂取量を考えてみて、欠かさず摂ってみるのも一つの選択肢といえるでしょう。

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