DXへの取り組み

2026年8月28日 更新

トップメッセージ

創業以来、日本の食文化に寄り添い、お客様の健康で豊かな食生活に貢献してきた私たちフジッコは、今、大きな変革の時を迎えております。その変革の核となるのが、デジタルトランスフォーメーション(DX)です。
当社では、DXを通じて「サステナブル経営の実現」という大きな目標に向かって歩みを進めております。これまで取り組んできた業務プロセスの最適化による「DX1.0」から、デジタル技術を活用した新たなビジネス価値の創造を目指す「DX2.0」へと、着実に進化を遂げております。
デジタル技術の活用は、単なる効率化が目的ではありません。私たちが目指すのは、お客様との新しい関係性の構築であり、データに基づく迅速な意思決定の実現であり、そして何より、従業者一人ひとりが生き生きと働ける職場環境の創出です。
この変革の波の中でも、私たちは「ヒト」を中心に据えた経営を貫きます。デジタル技術は、私たちの判断や創造性を支援する道具であり、決してそれに置き換わるものではありません。全従業者が共通の価値観でつながり、一人ひとりの個性が尊重される組織づくりを進めてまいります。
フジッコは、食品メーカーとしての確かな技術と時代に合わせて変革し続ける企業として、持続可能な成長を実現するとともに、伝統と革新を融合させながら、新たな価値創造に挑戦できる環境づくりと仲間づくりを同時に進めてまいります。

DX戦略の全体像

フジッコのDXの目的は「サステナブル経営の実現」です。データを活用した業務効率化の推進により経営課題を解決するとともに、デジタル導入の成功をもって誰一人取り残さない企業能力改革を実践します。

DX戦略の全体像

※戦略的コスト最適化とは、サステナビリティ目標に取り組み、コスト効率を維持しつつ、変革に向けた成長を支える投資の勢いを回復させること。

フジッコのDX戦略

フジッコでは、経営課題に対応するため、DXを体系的に推進するための独自戦略として、「フジッコDXサイクル」を策定しています。
この戦略は、DX1.0とDX2.0という2つのサイクルで構成され、①~⑥のデジタル共通価値指標を定め、企業価値の向上を目指します。

フジッコのDXサイクル

DX1.0:デジタルビジネスの最適化

既存業務を抜本的に見直し、価値を生まない定型業務の廃止とデジタル技術による自動化を進め、付加価値を生み出す業務時間を創出し、従業者の業務満足度を向上。

DX2.0:デジタルビジネスの変革

社内外の情報をデジタル技術で「繋ぎ⇒最適化⇒利活用」することで、サービス向上と既存事業の売上拡大、顧客満足度を向上させるため、新たなデジタルビジネスを創出。

DX推進体制

  1. 体制と役割分担
  2. フジッコは、全社的なDXの意識付けと各本部主導のDX組織の設立を完了し、企画から展開への移行を達成しました。DXが「特別なプロジェクト」から「通常業務」へと定着したことを踏まえ、2025年度をもって推進体制を見直し、「統制・支援」を担うデジタル戦略部門と、「実装・成果」を担う各本部の役割分担を明確にした体制へ移行しています。

    デジタル戦略部門 ― 全社のDXを統括

    デジタル戦略部門は、次の4つの機能を担います。

    1. デジタル投資の策定
      投資優先度の整理と可視化を行います。
    2. 導入案件の審査および評価
      システム導入の窓口として、技術・セキュリティの妥当性を審査します。
    3. セキュリティ統制
      アカウントおよびアクセス権限の統制、安全なアクセス方式の標準化と管理を行います。
    4. AI活用推進・デジタル人財育成
      生成AIの活用推進を担い、全社員のAI活用レベル向上と業務適用を支援します。あわせてデジタルリテラシー向上による自走への支援、AI・ICT活用の標準化と教育プログラムの運営を行います。
    体制と役割分担

    各本部のDX担当部門・管理部門 ― 事業価値創出の主役

    各本部に営業DX・マーケティングDX・生産DXを担う部門を置き、システムサービスを活用した事業価値の実現を進めています。システム導入にあたっては「売上向上・利益向上」「コスト削減・生産性向上」「リスク低減・法令遵守」のいずれかの成果目標を設定し、投資に対する成果へのコミットメントを明確にしています。あわせて管理部門とともに、同様の機能を持つシステムが他部門で利用されていないかを確認し、コストおよび費用対効果を評価しています。

    推進プロセスと意思決定

    システム導入は、社内規則に基づき、金額の大小にかかわらず全件について、導入決定前にデジタル戦略部門へ申請することを全従業員に義務付けています。デジタル戦略部門は、セキュリティおよび業務統制の観点に加え、コストおよび費用対効果についても確認したうえで審査・承認を行います。その際、各本部のDX担当部門および管理部門に相談し、他部門での重複利用の有無や現場での実効性を確認します。投資の決裁は、別途の稟議申請により、稟議規程に定める決裁区分に従って承認を得ます。一定金額以上の案件については、役員または社長が決裁します。

    全社での共有

    各本部の取り組み状況を全社で共有できる仕組みを整え、知見の横展開と重複した取組の防止につなげています。

  3. 取り組み内容
    1. 営業DX

      情報共有とオープンシェアの文化醸成のために、成功事例やノウハウ・プロセスといった現場で生まれる情報をSFAツール※1で活用促進を実施しています。個人のノウハウや商談成功事例を組織全体で共有し、相互研鑽による営業力の向上や他本部との知識の共有も進めています。これらの取り組みにより、個人の成功体験を組織の財産として活用し、営業部門全体の競争力強化を実現しています。

    2. マーケティングDX

      職人気質の高い商品開発業務にSaaSツール※2を導入し、開発業務の標準化と商品情報を一元管理できる環境を構築しています。これまでは商品情報が個人単位で管理され、開発に関するナレッジやノウハウが共有されていませんでした。SaaSツール導入により、必要な情報を統制し、開発の過程で得られる知見の蓄積を行い、商品開発のスピードと担当者のスキル向上に取り組んでいます。

    3. 生産DX

      生産活動で発生する情報をデジタル技術を用いてデータ化するため、業務プロセスを見直し、改善活動に必要なデータを選定しています。このデータを可視化することで、業務のスピードアップを図っています。現状は、帳票の電子化ツールを使ってデータ化するプロセスを構築していますが、今後はその改善効果を定量的に評価し、現場がその成果を実感できる環境づくりを進めていきます。

    4. データ活用基盤の整備

      Excelで集計された表形式から脱却し、BIツール※3を利用し、ビジュアライズされたダッシュボードにて、現状把握・意思決定のスピードアップを目指しています。現在は、BIツールの活用スキル向上に向けた推進活動を行い、基幹システムからの財務情報や営業活動を連携することで、データの収集や集計のために発生していた作業から脱却し、関係者が同じダッシュボードで判断・意思決定できる環境を構築しています。

    5. 生成AIの全社活用

      全社員が日常業務で生成AIを活用できる環境を整備しました。デジタル戦略部門が活用推進を担い、社内規則に基づく情報の取扱いルールのもとで、資料作成やデータ分析、アイデア創出などによる生産性の向上と、業務プロセスそのものの再設計に取り組んでいます。生成AIの活用は、単なる効率化にとどまらず、限られた人員でより高い付加価値を生み出す働き方の実現につながるものと考えています。

    ※1 SFA(Sales Force Automation)営業活動の効率化を図るために、顧客情報や商談の進捗を管理するシステム

    ※2 SaaS(Software as a Service)インターネットを通じてインストールや管理不要でソフトウェアを簡単に利用できるサービス

    ※3 BI(Business Intelligence)データを分析し、視覚的にわかりやすく表示することで、意思決定をサポートするツール

  4. システム導入の審査プロセス
  5. デジタル投資を効果あるものとするため、社内規則に基づき、システム導入を全社共通のプロセスで管理しています。本規則は次の3点を目的としています。

    1. 同様な機能を持つ別システムの重複導入を回避し、コストおよび運用負荷を削減すること
    2. セキュリティおよびネットワークの設計不備による情報漏洩などの被害を未然に防ぎ、法令遵守および企業の社会的信用を確保すること
    3. 会社全体でシステムを効率的に活用し、業務の生産性向上と業務プロセスの最適化を図ること

    対象は、クラウドサービスの利用開始、パソコンへのソフト・ツールの導入、外部と通信する機器システム、社内ネットワークに接続される機器システムであり、同一システムを他拠点へ拡張する場合も含みます。金額の大小にかかわらず全件が対象です。

    ステップ 主体 内容
    ① 申請 各部署 導入前に、導入目的・対象業務・期待される効果などの機能要件、主管部門および運用部門、取り扱う情報の種類、導入・運用にかかる費用を申請します。PoC(概念実証)の前に申請することを原則としています。
    ② 審査 デジタル戦略部門
    (各本部のDX担当部門・管理部門に相談)
    デジタル戦略部門が窓口として申請を受け付け、セキュリティ保全およびネットワーク経路の安全性、法令や社内規定の遵守状況を確認するとともに、コストおよび費用対効果についても確認し、システムの信頼性および利用環境に問題がないかを判断します。審査にあたっては、各本部のDX担当部門および管理部門に相談し、同様のシステムが他部門で利用されていないか、現場での実効性に問題がないかを確認します。案件に応じて関係部門の担当者にも意見を求めたうえで、導入提案としてまとめます。脆弱性への対策が不足している場合は、補うための費用または工数の増加を考慮します。
    ③ 投資決裁 決裁者 コストおよび費用対効果を含め、所定の規程に従い稟議申請を行い、金額に応じた決裁者の承認を得ます。
    ④ 導入後 各本部のDX担当部門・
    管理部門
    システムの稼働状況を定期的に確認し、想定した効果が得られているかを評価します。効果が確認できないものは、統合または利用停止を判断します。

    導入時にはあわせて、提供事業者の信頼性を評価する資格および監査の有無、ID認証の方式と多要素認証の有無、通信およびデータの暗号化、バックアップと契約終了時のデータ取扱い、脆弱性への対策頻度などを確認しています。これらのプロセスにより、投資対効果とセキュリティリスクを管理しながら、重複導入や無秩序なシステム導入を防いでいます。

DX人財の発掘と育成

DXの推進には「ヒト」が最も重要であると考え、これからのDXを担う人財の発掘と育成を開始しました。
当社が求めるDX人財とは、データを活用し、変革を推進できる人財です
2022年にDX適性を可視化する「DXアセスメント」を希望者に実施することで、個人のDX(プロジェクト)への適性を把握し人財発掘を行いました。その結果をもとに、従業者一人ひとりの弱点をさらに補ったり、長所をより伸ばせるようにフジッコ独自のカリキュラムを設計したオンライン動画教育の実施を通じてデジタルリテラシー基礎知識の習得を進め、生成AIワークショップ※1により実践的なデジタルリテラシー向上に取り組みました。
また、各部門独自の教育として、ビジュアルアナリティクス研修※2を開催するなど様々な形の教育も実施しています。
今後もフジッコが目指すDX推進において異なる世代の強みを活かしてデジタルと伝統の相乗効果を生み出すために、教育プログラムの企画立案や環境整備を進めていきます。
そして、フジッコの将来ニーズを充足できるのは、今日の従業者であるとの確信をかつてないほど強めている状態を目指します。

生成AIワークショップ

※1 生成AIワークショップ

ビジュアルアナリティクス研修

※2 ビジュアルアナリティクス研修

フジッコレポート

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