人生80年時代を迎えて、世界一の長寿と引き替えにクローズアップされる「骨粗しょう症」。
とくに女性は、閉経を迎える更年期を境に急速に骨量が減ることから、その対策が急がれています。イソフラボンは、減少したエストロゲンの代わりに働いて、骨量の急速な減少を食い止めます。
「骨からのカルシウムの溶出を抑制する」効果についての本格的な研究は、フジッコが日本で初めて証明しました。
その研究をもとに初めての「特定保健用食品」として認められたのです。
イソフラボンは、骨粗しょう症の予防だけでなく、更年期に伴うのぼせなど様々な「不定愁訴」の改善に効果があると考えられています。 女性が更年期を契機に襲われるたくさんの症状や不調―――肌のかさつきや潤いの問題をはじめ、高血圧・高コレステロール血症、肥満、乳がんの予防に…などと、まさにイソフラボンは「女性の美と健康の強い味方」です。
イソフラボンは、非常に多様な働きを発揮します。その全貌はまだ突きとめられていません。
たとえば男性に特有の前立腺がんも、大豆食習慣がない国々の人に比べて日本人男性の罹患率の低さが注目されています。
またその他にも心臓病や胃がん、その他のがん、糖尿病などにも有効性が報告され、次々と新しい研究が進められています。動物実験の段階ですが、イソフラボンがストレス性胃潰瘍を抑制するという研究結果も発表されています。
最近「エクオール」という言葉を耳にするようになりました。エクオール(equol)は、大豆に含まれているものではなく、ダイズインが体内で腸内細菌によって変換されて作られるもの(活性型代謝産物)です。もとのイソフラボン(ダイズイン)よりも強い活性を示すといわれていて、更年期障害や骨粗しょう症対策に期待がもたれています。
腸内細菌の違いによってエクオールを産生できる人とできない人がいて、イソフラボンの代謝には個人差があると考えられています。日本人でエクオールを産生できる人は30~60%、欧米人では20~30%程度といわれています。また一部では、エクオールを生産できない人ができるようになったり、その逆もあることが報告されています。
イソフラボン+ウォーキングは素晴らしいでご紹介した(独)国立健康・栄養研究所とフジッコの共同研究では、エクオール産生者と非産生者を分けて効果を比較していますが、6ヶ月後の全身骨密度低下
抑制効果をみた結果では、非産生者群では約1.5%の低下に抑制されたのに対して、エクオール産生者群では約0.5%の低下にまで抑えられるという差がみられています。
今後エクオール産生機構の解明がすすめられて、産生能を高める方法などの研究が待たれるところです。