フジッコ株式会社

FUJICCORECRUIT 2025

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Project Story 02

北の地から
フジッコのクオリティを全国へ。
北海道工場立ち上げプロジェクト

PROJECT MEMBER

製造部

高浦 克也 / Takaura Katsuya

1984年入社/農学部卒

品質保証部

小川 博之 / Ogawa Hiroyuki

1996年入社/農学研究科修了

生産技術部

藤本 護 / Fujimoto Mamoru

2006年入社/基礎工学部卒

1年という異例の期間で
新工場の立ち上げに挑む。

2013年に千歳市で操業を開始した、フジッコ株式会社北海道工場。フジッコはかねてより北海道の昆布や大豆を使った商品を数多く生産していたため、材料の調達や流通のことを考えても、北海道に新工場を建設する意義は大きかった。

プロジェクトの発足は2011年11月。その最初期からプロジェクトに関わったのが、生産技術の藤本と品質管理の小川だ。「北海道工場での製造が予定されていた品目は、ヨーグルトと大豆水煮、総菜です。ヨーグルトに関しては、それまで横浜と愛媛で生産されていましたが北海道工場で集中生産することが決定しました(小川)」「生産合理化を図る意味でも、本プロジェクトがもたらすメリットは大きいものでした(藤本)」。

プロジェクトの立ち上げから完了までに設定された期間は1年。その間に生産設備の検討・導入や品質保証、建築工事をすべて完遂する必要があった。

工場の建設から携わったことで
得られた成長の実感。

北海道工場で作られる品目は決まっていたため、どんな設備が必要かの目処は立っていた。しかし、それまで経験したどんな仕事とも決定的に異なる要素が、壁となって生産技術の藤本の前に立ちはだかった。「工場の立ち上げは初めての経験で『既にある建物』ではなく『建設予定の建物』に対するアプローチをどうすべきか、最初はまったくわかりませんでした(藤本)」。

工場建設では、レイアウト・生産設備の選定のほか、建物の構造をチェックする仕事が加わる。しかし、それまで生産設備の計画・導入がメインであったため、当時の藤本は建築についての知識がほとんどなかった。「もちろん『わからないからしょうがない』という理屈は通用しません。設計士や施工管理者と最低限、対等に打ち合わせができる知識が必要だったので、建築関連の勉強会に積極的に参加しました(藤本)」。

生産技術としての本来業務と、建築に関する知識の習得に並行して取り組む日々は決して楽ではなかった。しかし、建築に対する理解度が増したことで、設計士や施工管理者との連携がスムーズになるとともに、生産技術の仕事のクオリティも上がっていることを自覚するようになった。「建築の知識を深めるにつれて、設備が配置される空間にまでイメージを広げられるようになりました。本プロジェクトで得た大きな成果のひとつだったと思います(藤本)」。

徐々に形になっていく工場、そしてそこに搬入される設備。文字通り、目に見えてプロジェクトは着実に進行しつつあった。

乳業メーカーに匹敵する「菌」のノウハウを求めて。

もうひとつの悩みの種は「クレモリス菌FC株の増殖」だ。カスピ海ヨーグルトの生産工程では、本商品を特徴づけるこの菌を培養してプラント内で増殖させる必要がある。しかし、最初はなかなか増殖が安定しなかった。工場長として北海道工場に赴任した高浦は、小川と共に菌の増殖がうまくいかない原因を日々追究していた。「生乳の扱いは本来、乳業メーカーの範疇です。当時のフジッコは総菜メーカーとしてのノウハウは豊富でしたが、乳業メーカーとしての知見はほとんどありませんでした(高浦)」。

現地の乳業メーカーを対象とした講習会にも参加し、菌に関する知識を深めながら現状の問題点を解決する方法を模索し続けた。「菌は生き物なので、同じ手順を踏んでも毎回同じ結果は得られません。気温などの外部環境の些細な変化でも品質は大きく変わります。トライ&エラーのひと言では表現し切れないほどのリトライを重ねました。(小川)」。

問題解決の糸口が見えたのは、生産ライン立ち上げのタイムリミットが目前に迫った頃だ。「諦めずに粘り強く取り組んだ結果、ようやく納得できる品質を実現することができました。プロジェクト開始時は、広大な敷地に何も無い文字通りゼロの状態。そこからようやくここまで来られたかと思うと非常に感慨深いものがありました(高浦)」。

ついに工場が本格稼働。
重要拠点としてフジッコの価値を未来につなぐ。

ついに工場が本格稼働。
重要拠点としてフジッコの
価値を未来につなぐ。

プロジェクトの発足から約1年後の2012年12月。各々のメンバーの取り組みが実り、ついに生産ラインの立ち上げに成功した。カスピ海ヨーグルトは予想を遥かに超える売れ行きを見せ、達成までに3年掛かると思われていた売上目標をたった1年で上回った。それに伴い生産設備に関しても、間もなく能力増強工事が計画されることになった。

「商品箱詰めの自動化および効率化のために導入したパラレルリンクロボットは、その有用性がすぐさま社内で認知され、ほかの工場でも採用されることになりました。自分の取り組みが、生産の自動化・効率化の優れたモデルケースとして社内に横展開されたことが本当に嬉しかったです(藤本)」。

2018年現在、高浦、小川、藤本の3名は既に北海道工場から籍を移している。しかし今後、機会があれば何らかの形で工場に関わりたいと話す。「北海道工場は、生産工程の自動化は進んでいますが、検査工程は未だに多数の作業員の目に頼っています。ここをいかにして機械に置き換えていくかが今後の課題です。それが実現できれば、北海道工場をさらに魅力ある工場にすることができるでしょう(小川)」。

「北海道工場の操業は現在、軌道に乗っていますが、世の中の動き次第で大きな変化を求められることがあるかもしれません。そのときには、かつて工場長を務めた立場として何かできることがあればぜひ協力したいと思っています。私にとって北海道工場は、多くの苦労、そして喜びを共にした思い出深い工場ですから(高浦)」。

飽くなき挑戦の果てに立ち上げられた北海道工場。その稼働までのプロセスには様々な困難や紆余曲折があった。しかし、それを乗り越えたからこそ得られたやりがいや喜びは、数多の苦労を補って余りあるほど大きく、そして尊い。

本プロジェクトには、社会人として働くことや成果を出すことの醍醐味が、存分に凝縮されていた。多くの社員の努力と想いの結晶である北海道工場は、これからも重要拠点のひとつとして、多くの商品やフジッコの価値を遥か先の未来にまでつないでいく。

しかし、現状に満足するわけにはいかいない。いくら商品単体のクオリティが高くても、そこは必ず他社との比較になる。消費者に選ばれ続けるために、これからもカスピ海ヨーグルトをはじめフジッコの商品に関わるすべての社員は、より良い商品の実現にチャレンジし続ける。

Project Story 02

北の地からフジッコのクオリティを全国へ。

北海道工場
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