和食文化国民会議presents

ふじっ子ちゃんの「全国和食探訪記」

産地野菜 よろこんぶリサーチ

今回は長野県の「ていざなす(なすび)」をリサーチしたよ!

① 育て方


5月の中旬に苗を畑に定植します。1ヵ月くらい経つと60cmくらいに育つので、支柱を立てます。花が咲いて約1ヵ月後に収穫します。今年は、5~6月が涼しかったので、収穫が遅れていますが、例年7月上旬から収穫がスタートし、10月末頃まで収穫することができます。

② 収穫の仕方


「ていざなす」の特長として、「花」が咲いて「果」になるまで、下から上にかけて順番に成長するため、下の方に育っている「果」から収穫していきます。収穫は「果に傷がつかないように手作業で行います。「ていざなす」として出荷できる規格が決まっているので、20~30cmの長さで、重量450g~650gのものを収穫します。また、「ていざなす」の長さ・大きさも特長ですが、果のへたの部分が青いのも特長の一つです。

③ 種類・産地

「ていざなす」は、米なす系の大型なすで、1887年頃、神原村(現:天龍村)に住んでいた田井澤久吉さんが、東京の種苗店から種子を取り寄せて栽培を始めました。名前の由来も最初に栽培を始めた田井澤さんの名前にちなんで「たいざわなす」と命名され、地元では親しみを込めて「ていざなす」と呼んでいます。天龍村は山深い場所に位置するため、奇跡的に他の品種と交配することなく、130年以上前から現在に受け継がれてきました。2016年には、天龍村の"幻のなす"として中日新聞社が主催する第75回中日農業賞の特別賞を受賞しました。

④ 味・おすすめの調理方法

「ていざなす」は、普通のなすの6~7倍の大きさになりますが、焼くととろけるような食感で、やわらかく甘みがあるのが特長です。その特長を活かした食べ方は、「焼きなす」です。やわらかい「ていざなす」のおいしさをシンプルに味わえます。驚くかもしれませんが、好きな人は1つをまるまるぺろりと食べてしまいます。
他にも、信州味噌をたっぷり使って作る「味噌田楽」が人気です。 

生産者インタビュー

今回は長野県で「ていざなす」を生産されている「天龍村ていざなす生産者組合」を代表して熊谷さん、板倉さんにインタビューをお願いしました!

天龍村ていざなす生産者組合 組合長
熊谷 文孝
組合数は約20名で、天龍村の特産品として信州の伝統野菜「ていざなす」を栽培しています。

天龍村ていざなす生産者組合 種苗担当
板倉 貴樹
南信種苗の代表を務めながら伝統野菜「ていざなす」の種子作りを担っています。

ていざなす生産者組合副組合長
野竹 正孝

農業歴を教えて下さい。

もともと鉄工所で働いておりまして、退職してから農業を始めました。前職で培った正確な技術が「ていざなす」作りにも活かされております。

愛知県で花と触れ合う機会があって栽培農家さんのところで研修に入って、2003年にUターンで天龍村に戻ってきました。
はじめは鑑賞花の栽培をしていたのですが、野菜作りをするうちにこっちの方がおもしろくなって、今では野菜作りが中心になっていますね。農業歴は、10年以上になります。

「ていざなす」を栽培するきっかけを教えてください。

一八会というボランティアの会があって、そこで「ていざなす」を5本植えたのが始まりです。平成19年頃に長野県の信州の伝統野菜選定制度がスタートしたのをきっかけに、個人で作り継がれてきた「ていざなす」を1系統に統一して、天龍村ていざなす生産者組合を仲間と一緒に立ち上げ「ていざなす」を作り始めました。

栽培している「ていざなす」の魅力を教えてください。

もともと野菜作りを始めて、1年間で40種類くらい作っていました。
そのうち他の野菜作りをやめて、「ていざなす」作りに専念するようになりました。
なぜかやっているうちに「ていざなす」作りがやめられなくなって、今では11年間続いています。
だんだん責任が重くなってきて、最近では組合長もしているので頑張らないといけないですね(笑)

130年以上受け継がれているとても歴史がある伝統野菜。「ていざなす」は栽培するのが難しく、葉が擦れるだけで傷ついてしまうので1つ1つ丁寧に作る必要があります。
手間がかかる分、立派なものを収穫できるとそれがうれしいですね。また、味も格別で他のなすと食べ比べたら、あくがなく甘くておいしいのも魅力です!!

「ていざなす」を美味しく作る秘訣を教えて下さい。

天龍村は山間部なので、農地が少ないため工夫した野菜作りが必要です。そのため、連作障害起こらないように"土づくり"をすることが大切です。組合の方も各自で"土づくり"を研究して、おいしい「ていざなす」を作っています。

やはり「ていざなす」を育てるのに欠かせないのは"土づくり"です。土の中の良い微生物を増やして、病気にかかりにくい"土づくり"を心掛けています。微生物の力に頼る"微生物農法"で化学的な消毒は一切行わず、今年で3年目ですが、おかげさまで病気にかからず順調に出荷できています。

今後の「ていざなす」の取り組みや展望を教えて下さい。

ここ2~3年は、収量が2万5千本程度と安定していますが、生産者の高齢化が進んでいます。そのため、もっと多く収穫できるように後継者を増やしていきたいと思っています。今年は、2人の若者が「ていざなす」作りに携わってくれているのでこれからが楽しみですね。

形が良い「ていざなす」の品種を残し、ブランド力を磨き知名度をあげることが必要です。さらにいろんな方に「ていざなす」を食べてもらえるように、大きいなすを作っていきたいと思います。

メッセージをお願いします。

これだけ見栄えがあって大きななすは「ていざなす」だけだと自負しています。大きさだけでなく、甘みがあってやわらかくとろけるような食感も「ていざなす」の魅力なので、これからたくさんの人に食べていただけるように、もっとPRしていきたいと思います。

"産地野菜"レシピ

おいしいなすびをふじっ子でさらにおいしく!!ていざなすの柚子塩あんかけふじっ子塩こんぶのせとふじっ子塩こんぶ・ていざなすのブルスケッタをご紹介します。

ていざなすの柚子塩あんかけふじっ子塩こんぶのせ(4人分)

ていざなす
1本
フジッコ「ふじっ子塩こんぶ」
大さじ5(約15g)
塩水
適量
片栗粉
適量
サラダ油
適量
<柚子塩たれ>

白だしめんつゆ
大さじ2
片栗粉
小さじ1
柚子果汁
大さじ1
100cc

作り方

  1. ていざなすを4cmに輪切りにして、皮を虎剥きして塩水をぬり、片栗粉をまんべんなくまぶして、サラダ油で揚げる。(①)
  2. 柚子塩たれを作る。鍋に水、白だしめんつゆ、柚子果汁、片栗粉を入れ煮立てる。(②)
  3. 揚がったていざなすの上にふじっ子塩こんぶをのせて、(②)をかける。(③)

ふじっ子塩こんぶ・ていざなすのブルスケッタ(4人分)

ていざなす
1本
フジッコ「ふじっ子塩こんぶ」
大さじ5(約15g)
ピザチーズ
50g
豚ひき肉
50g
ネギ
1本
生姜(小)
1片
ミニトマト
2個
ピーマン
1個
しょうゆ
小さじ1

作り方

  1. ていざなすは、3.5cm幅に輪切りにして実に切り込みを入れておく。(①)
  2. 豚ひき肉にみじん切りにしたネギと生姜を混ぜ、しょうゆで下味をして(①)にのせる。(②)
  3. ミニトマト、ピーマンをお好みでトッピングして、ふじっ子塩こんぶとピザチーズをのせる。(③)
  4. オーブントースターで15分焼く(④)

これまでの全国和食探訪記

和食文化国民会議 楽しい・おいしい食卓を提案する健康情報誌BeansLife

「ふじっ子ちゃんの和食探訪記」は一般社団法人和食文化国民会議(通称:和食会議)の賛同企画『和食会議PRESENTS』として公開しております。
また、ビーンズライフに誌面提供しております。