和食文化国民会議presents

ふじっ子ちゃんの「全国和食探訪記」

長野県 爽やかな辛さがクセになるぼたんこしょう取材地:長野県中野市

訪れたのは長野県北信地方に位置する中野市永江地区。ここ斑尾山麓を中心に100年以上前から栽培されているのが長野県が信州の伝統野菜として認定している「ぼたんこしょう」です。

丸いフォルムに辛味が特長のぼたんこしょう

今日は斑尾ぼたんこしょう保存会の会長大内ふじ子さんに、7月中旬から霜が降りる10月下旬頃まで味わえる「ぼたんこしょう」についてお話をお聞きしました。
「ぼたんこしょう」は肉厚な果実の先端周辺に深い溝があり、その複雑な形状がボタンの花に似ているのと、一部地域ではトウガラシのことをこしょうと呼ぶことから「ぼたんこしょう」と呼ばれるようになったと伝えられています。
ナス科トウガラシ属ベル型の丸みを帯びたシルエットで見た目はピーマンやパプリカに似た感じなのですが辛味を持っているのが特徴の野菜です。
果皮部分に旨味と甘みがあり、隔壁部分に辛味が蓄積されるので、食べる場所によって味わいがガラッと変わるなど、辛味とともに風味豊かな味わいがクセになるそうですが、冷涼な気候を好み、千m近い標高の地域でしか辛く大きくならないそうで、ごく一部の地域でしか生産されていないとても珍しい野菜なんだとか。

▲斑尾ぼたんこしょう保存会会長の大内ふじ子さんにお話お聞きしました。

▲ぼたんこしょうの花。

▲ピーマンとよく似ているぼたんこしょう。

▲収穫を待つぼたんこしょう。大きくなるまで後もう少し。

▲収穫したてのぼたんこしょうを切って断面を見せていただきました。

伝統野菜を守る!斑尾ぼたんこしょう保存会

ここ斑尾山の麓では100年以上前から栽培され、地元の人に親しまれていた「ぼたんこしょう」ですが、ピーマンとの交配がしやすいため、細長いシルエットのものが増えたり、辛味の少ないものができてしまうようになったことから、平成20年3月にぼたんこしょうの保存と普及を目的に14名の有志で「斑尾ぼたんこしょう保存会」を設立されました。各農家独自の方法で行っていた自家採種から、品質向上と安定化に向けた栽培方法の研究を行い、現在では会員23名の方が生産と加工品製造を行っておられ、 「斑尾ぼたんこしょう保存会」で生産される「ぼたんこしょう」だけが、長野県から信州の伝統野菜として認定を受けているそうです。現在では年間12tの安定した収穫があり、地元の道の駅の直売所、スーパーでの青果販売の他、家庭で作る料理をコンセプトにした「ぼたんこしょうみそ」などのお土産物に適した加工品の開発製造も行って、広く普及をめざしているそうです。

▲加工工場のある松野さんのご自宅前にもぼたんこしょうが植えられています。

▲ご自宅のぼたんこしょうの生育を確認する松野さん。

▲加工工場にてぼたんこしょうのごま醤油の作り方をみせていただきました。

▲ごま油でぼたんこしょうを均等に火が入るように混ぜながら炒めます。

▲火が通ってしんなりしてきました。ごま油の香りが広がりとても美味しそう。

▲火が通ったら醤油を入れてさらに全体に醤油が行き渡るように撹拌します。

▲最後に瓶詰めして蓋をして殺菌を行います。

▲ぼたんこしょうのごま醤油の完成。

辛味と風味がクセになる伝統料理


夏の定番郷土料理

今日はぼたんこしょうを使ったこの地域の伝統料理、夏野菜のみじん切りをご飯にかけて食べる「ぼたんこしょうのやたら」、なすと味噌で炒めた「ぼたんこしょうの油みそ」「ぼたんこしょうと菜の花のお吸い物」「ぼたんこしょうときゅうりのふじっ子和え」をいただきました。どれも爽やかな辛さがクセになる美味しさでしたが、ぼたんこしょうの辛味と風味に加え、夏野菜そのものの豊かな味わいと香りが楽しめる「ぼたんこしょうのやたら」が特にお気に入りになったと大満足の笑みを浮かべました。

▲ぼたんこしょうを使った郷土料理を作っていただきました。

▲ぼたんこしょうのやたら

▲ぼたんこしょうの油みそ

▲茄子と味噌の相性の良さにぼたんこしょうのアクセントがクセになります。

▲ぼたんこしょうと菜の花のお吸い物

▲ぼたんこしょうときゅうりのふじっ子和え

▲刻んだ夏野菜を混ぜてご飯にかけるやたらは夏の定番郷土料理なんだそうです。

▲この地方の郷土料理について説明を大内さんからお聞きしました。

長野県のイチオシ食材

美しい山々に囲まれ、自然に恵まれた長野県は、日本でも有数の農業県として、また長寿日本一の県としても知られています。豊かな自然の恵みから生まれた農産物と、県内それぞれの地域で受け継がれてきた伝統的な食文化を、「プレミアム」「オリジナル」「ヘリテイジ」の三つの基準で厳選して、「おいしい信州ふーど(風土)」といった統一ブランドとして内外に広く発信しています。
今回の取材にあたり、長野県大阪事務所の近藤典子様と、長野県農政部園芸畜産課の方にご協力いただき、長野県が誇る特産品をご紹介いただきました。

▲ナガノパープル
「巨峰」と「リザマート」をかけ合わせた長野県生まれのぶどう。
大きな粒で種がなく、皮ごと食べられる甘いぶどうです。
収穫時期 9月上旬~10月中旬(露地)

▲秋映
「千秋」と「つがる」をかけ合わせた長野県生まれのりんご。
濃厚な味わいと濃い赤色が特徴的なりんごです。
収穫時期 9月下旬~10月上旬

▲シナノスイート
「ふじ」と「つがる」をかけ合わせた長野県生まれのりんご。
甘さが際立つ、果汁たっぷりのりんごです。
収穫時期 10月上旬~下旬

▲シナノゴールド
「千秋」と「ゴールデンデリシャス」をかけ合わせた長野県生まれのりんご。
貯蔵性が高く、酸味と甘みのバランスが絶妙なりんごです。
収穫時期 10月中旬~11月中旬

長野県の特産品については、下記のサイトをご覧ください。

おいしい信州ふーど(風土)ネット
おいしい信州ふーど(風土)ネット

取材協力:
斑尾ぼたんこしょう保存会 大内ふじ子様 松野冨子様 児玉邦子様
長野県大阪事務所 近藤典子様
長野県農政部園芸畜産課
長野県北信地域振興局農政課 大田茂己様
企画・制作:フジッコ株式会社

これまでの全国和食探訪記

和食文化国民会議 楽しい・おいしい食卓を提案する健康情報誌BeansLife

「ふじっ子ちゃんの和食探訪記」は一般社団法人和食文化国民会議(通称:和食会議)の賛同企画『和食会議PRESENTS』として公開しております。
また、ビーンズライフに誌面提供しております。