和食文化国民会議presents

ふじっ子ちゃんの「全国和食探訪記」

神奈川県 まろやかな甘味とねっとりした食感の「開成弥一芋」 取材地:神奈川県開成町

今回、2代目ふじっ子ちゃんが訪れたのは、神奈川県西部に位置する県内で一番面積が小さな町、開成町です。
関東平野の南西部に位置し、大都市圏の一角を成す神奈川県。
「神奈川の屋根」と呼ばれる箱根と丹沢に連なる1500m級の山々と、県の重要な水資源の相模川や西部を流れる酒匂川、箱根や湯河原の温泉地帯や4つの県立自然公園など、豊かな自然環境と観光資源に恵まれた郷土によって様々な産業、文化が育まれる神奈川県では、県内産品の優位性を保つため、統一の生産・出荷基準を守り、品質を確保しているなどの条件を満たした農林水産物や加工品を「かながわブランド」として登録しています。

自然豊かな開成町で復活を遂げた「開成弥一芋」

東には酒匂川が流れ、西には箱根外輪山、南には相模湾、北には丹沢山塊を望むなど、自然に恵まれたなだらかな平坦地で、酒匂川の清流と豊かな自然に恵まれた開成町で、一度は衰退しましたが、復活を遂げた「開成弥一芋」ついて、開成弥一芋研究会の皆様にお話をお聞きしました。

ほどよい甘さと白くねっとりした旨味のある芋!

はじめにお話をお聞きしたのは、研究会創立に尽力した初代会長で現顧問の遠藤将光(えんどう まさみつ)さんです。
「開成弥一芋」は、明治36年に開成町出身の弥一郎さんが、小田原の常念寺の住職から譲り受けた種芋を開成町の豊かな清流と肥沃な土壌で育てたところ、ほどよい甘さと白くねっとりした旨味のある芋が評判を呼び、またたくまに関東一円で栽培されるようになったそうですが、戦後、稲作が盛んになったことから衰退し、幻の芋となってしまいました。しかし、平成23年に遠藤会長ほか有志の生産者14名の皆さんが、「弥一芋」を復活させるために「開成弥一芋研究会」を発足させ、神奈川県農業技術センターが系統保存していた種芋を譲り受けて作付を行い、生産を開始されました。厳しい栽培基準を設ける「かながわブランド」に登録されるまでに至ったそうです。
現在会員数が30名で内20名の方が「開成弥一芋」を生産され、神奈川県内を中心に出荷されています。
全国展開の大手スーパーから出荷量を増やして欲しいと要望があるものの、すべて手作業なのと、連作障害にならないよう4つの畑で稲作との輪作で生産されているため、生産量を大幅に増やせていないそうですが、今年からは機械を導入する生産者の方もいるそうで、今後の生産拡大に期待が持たれています。

▲2代目ふじっ子ちゃんがやってきたのは神奈川県西部に位置する開成町です。あしがり郷瀬戸屋敷前にて

▲開成町の至るところで綺麗な水が流れていました。

▲開成弥一芋の畑に圃場にやってきました。研究会の圃場は4箇所あり、連作障害を避けるため4年周期で輪作されています。

▲研究会を立ち上げた初代会長で現顧問の遠藤さんに開成弥一芋についてお話をお聞きしました。

▲2代目ふじっ子ちゃんの背丈を超える茎です。

▲開成弥一芋研究会の皆さまです。

3月に植え付け、丁寧に育て10月に出荷!

遠藤さんからお話をお聞きした後、副会長の府川功(ふかわ いさお)さんに、弥一芋の作り方を教えていただきました。
こぶしが咲き始める3月、貯蔵穴から種芋を掘り出し、病気などを1個1個確認して状態の良い種芋を、肥料を撒いて耕しマルチと呼ばれる黒いビニールをかけた畑に植え付けます。5月から6月に不必要な芽を取り除いて1本にして、水の張り込みや追肥などを行い丁寧に育てて、9月から収穫をされ、10月初旬に行われる出荷式の後、神奈川県内を中心に出荷が行われます。生産の工程をお聞きした後、ふじっ子ちゃんも実際に収穫をさせていただきました。
府川さんに茎を切っていただいた後、一緒に鍬入れを行い掘り上げると、親芋に連なった子芋が20個ぐらいありました。親芋と子芋を切り離し、泥を落として、根やひげ等を取り去って水洗いをしたら乾燥。完全に乾燥したら出荷基準に従って袋詰を行い出荷となります。

▲開成弥一芋研究会会長の武藤さん(中)と副会長の府川さん(左)に開成弥一芋の作り方をお聞きしました。

▲府川さんと一緒に鍬入れをする2代目ふじっ子ちゃん。

▲鍬入れ後、府川さんが弥一芋を掘り出しました。

▲指を指しながら親芋と子芋を教えてくれました。

▲子芋の数を数えると一つの茎から20個ありました。

▲掘りたての開成弥一芋。

▲会長の武藤さんが弥一芋を掘り出しています。

▲2代目ふじっ子ちゃんも掘り出した弥一芋を一緒に集めました。

▲掘り出した弥一芋は、はじめに泥を落とし、ひげを取り除きます。

▲弥一芋を切って断面を見せていただきました。

▲泥を落とした弥一芋は、武藤さんの自宅の横の堀に流れる水で綺麗に洗います。

▲最後に水道水でもう一度綺麗に洗います。

▲洗ったばかりの開成弥一芋。

▲綺麗に洗ったあとは乾燥させます。天気の良い日は朝から干すと夕方には乾くそうです。

▲乾燥した開成弥一芋。

ふじっ子ちゃんも会長の武藤輝夫(むとう てるお)さんに教えて貰いながら袋詰にチャレンジしました。
傷や虫食い、芽が出たものを取り除いた状態の良いものだけ選別し、サイズを合わせつつ計量器へ。この時、乾燥して重量が減少することを見越して少し多めの重量にするそうです。
ひと目見て大体重量がわかる武藤さんのようにはいきませんが、何度も芋を入れ替えて重量を合わせ、武藤さんに言われた重量に合わせることが出来ました。計量器の芋を袋に入れて、最後はテープを止める機械でガチャン。きれいに袋詰できた物をお土産にいただき、大喜びの2代目ふじっ子ちゃんでした。

▲武藤さんの庭先に綺麗な弥一芋がたくさん並べられていました。

▲武藤さんに教えてもらいながら袋詰を体験させていただきました。

▲何度も弥一芋を入れ替えて武藤さんに言われた重量に。結構難しかったようです。

▲規定の重量になったら計量器の弥一芋を袋に詰めます。

▲全部入れこんだら、袋の口を機械に入れてテープでとめます。

▲袋詰された開成弥一芋。お土産にいただきました。ありがとうございました。

ほんのり甘い弥一芋


和え物にもサラダにも合う!

開成弥一芋の収穫方法を教えていただいたあと、武藤さんの奥様、きよ子さんに「弥一芋のひじきとふじっ子和え」を、開成弥一芋のレシピ開発を行われている北村信子さんに「弥一芋のきぬかつぎ」、「弥一芋のふじっ子万能タレかけ」、「弥一芋サラダ」を、そしてJAかながわ西湘開成支店女性部の皆さんに、開成町弥一芋料理コンテスト優秀賞受賞の「弥一芋の肉巻き」を作っていただきました。
ねっとりとした食感とほんのり甘い弥一芋は、ふじっ子の塩昆布ととても相性が良く、どの料理も美味しいと大満足の2代目ふじっ子ちゃんでした。

▲開成弥一芋の料理をたくさん作っていただきました。

▲弥一芋のひじきとふじっ子和え

▲弥一芋のきぬかつぎ。皮を剥いてふりふり塩昆布をかけていただきました。

▲弥一芋のふじっ子万能タレかけ。
※万能タレは耐熱容器にふじっ子と水、砂糖を入れて電子レンジで40秒で完成

▲弥一芋のふじっ子サラダ

▲開成町弥一芋料理コンテストで優秀賞を受賞した弥一芋の肉巻き

▲どの料理も美味しいとお腹いっぱい食べた2代目ふじっ子ちゃん

▲ご協力いただいた皆さん、ありがとうございました。

取材協力:
開成弥一芋研究会 遠藤将光様 武藤輝夫様 府川功様 北村信子様 武藤きよ子様
JAかながわ西湘開成支店女性部 片岡待子様 大胡田泰子様 船橋信子様
JAかながわ西湘 開成営農経済センター 木村正泰様
神奈川県環境農政局農政部農政課ブランド推進グループ 林陽子様
開成町行政推進部企画政策課 村上光様

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和食文化国民会議 楽しい・おいしい食卓を提案する健康情報誌BeansLife

「ふじっ子ちゃんの和食探訪記」は一般社団法人和食文化国民会議(通称:和食会議)の賛同企画『和食会議PRESENTS』として公開しております。
また、ビーンズライフに誌面提供しております。