和食文化国民会議presents

ふじっ子ちゃんの「全国和食探訪記」

茨城県 奥久慈地方の幻の伝統食材凍みこんにゃく 取材地:茨城県大子町

今回取材したのは、茨城県大子町。
ここは奥久慈地方と呼ばれ、水戸市から車で約1時間半ほど北西にあり、茨城県の最高峰八溝山から太平洋に注ぐ久慈川水系の山間部一帯に位置し、比較的温暖な茨城県の中で特に寒冷な地域です。
この奥久慈地方特有の気候を活かして作られてきたのが、幻の食材と言われる「凍みこんにゃく」です。

幻の伝統食材「凍みこんにゃく」とは?

「凍みこんにゃく」は、厳冬期の12月から2月、冬の農閑期を利用して作られてきました。
ワラを敷き詰めた畑にこんにゃくを一枚一枚丁寧に並べ、水をかけて夜凍らせて昼に解凍と、これらの作業をすべて手作業で繰りかえしながら、約半月かけてようやく完成します。
大変手間がかかることから、伝統食材でありながら、現在ではこの奥久慈地方にわずか3軒しか生産者がいないという非常に貴重な食材です。

凍みこんにゃく作り名人の栗田晋一さん

今回「凍みこんにゃく」についてお話をお聞きしたのは、大子グルメーフーズ社長で凍みこんにゃく作り名人の栗田晋一さんです。 栗田さんは、23年前に日本で最後の凍みこんにゃく職人と呼ばれた菊池銀三郎さんに師事し、3年間の修行の末、凍みこんにゃく生産者の道を歩み始めました。 現在、凍みこんにゃくを守り続ける3軒の生産者のお一人です。

▲お話をお聞きしたのは凍みこんにゃくづくりの名人 大子グルメフーズ社長 栗田晋一さんです。本日は貴重な体験ありがとうございました。

凍みこんにゃくができるまで

こんにゃく芋から弾力のあるこんにゃくづくり

「凍みこんにゃく」は、皮を剥いだこんにゃく芋を機械ですりつぶし、ペースト状になったら練っていきます。
糊状になったら、石灰を溶かしたお湯を入れてさらに練ります。程よいペースト状になったら木型に入れて1日かけて固めます。
そして固まったら木型を外し、熱湯で半日茹で、更に固めていきます。茹で上ったこんにゃくの固まりは薄くスライスし、石灰水の中へ投入。
こうすることでよりしっかりした弾力のあるこんにゃくになります。

▲こんにゃく芋の皮むきを見せていただきました。子どもが触ると手が荒れることもあるそうです。

▲皮をむいたこんにゃく芋は痛まないように水の中へ。

▲機械ですりつぶしてペースト状になったこんにゃく芋です。

▲ペースト状になったこんにゃく芋を練っていきますが、この作業はとっても大変そうでした。

▲練り終わったこんにゃく芋を木型に入れます。

▲木型に入れたこんにゃく芋は1日かけて固められます。

▲湯気の奥には熱湯で茹でられている大きなこんにゃく。

▲スライスされたこんにゃく芋を石灰水にいれることで弾力あるこんにゃくになるそうです。

「凍みこんにゃく」の仕上げは「八溝おろし」

出来がったこんにゃくをワラを敷き詰めた屋外で、5~7日間冬の寒気で凍らせます。
その後、こんにゃくが縮みすぎないように屋内で2週間じっくり干し上げると完成です。
出来上がった「凍みこんにゃく」は、かきもちみたいです。

▲藁を敷き詰めて丁寧に並べられたこんにゃく。

▲八溝山から吹き降ろされる「八溝おろし」が凍みこんにゃくづくりに欠かせないそうです。

▲敷き詰められたワラの上で干された凍みこんにゃくを間近で見せていただきました。

▲屋内干しを終えて形を整える前の凍みこんにゃく。まるでかきもちのような感じでした。

凍みこんにゃくの伝統料理


凍みこんにゃくの伝統料理煮つけ、黒豆煮、卵とじ、フライどれも美味しそう

この「凍みこんにゃく」、一体どんな風に料理されるんでしょうか。
本日は、栗田さんの奥様、栄子さんに「凍みこんにゃく」の伝統料理を教えていただきました。
ご用意いただいたメニューは、凍みこんにゃくの煮つけ、凍みこんにゃくの黒豆煮、凍みこんにゃくの卵とじ、凍みこんにゃくのフライの4品です。
とてもヘルシーで料理ごとに、多彩な味と食感を楽しめる「凍みこんにゃく」に大満足でした。

お問い合わせ・購入先

現在、大子グルメフーズさんでは、年間5万枚を生産されておられますが、そのほとんどが山形県の一部の地方への出荷で、残りは地元の道の駅などでしか販売されておらず、入手が難しい商品ですが、インターネットでの販売もされておられます。
ご購入をご希望の方は、大子グルメフーズさんへお問い合わせ下さい。

大子グルメフーズhttp://www.k-kurita.co.jp/

茨城県のイチオシ食材

茨城県は関東地方の北東部に位置し、筑波山や霞ヶ浦、総延長190 kmに及ぶ海岸線など、豊かな自然と温和で暮らしやすい環境に恵まれています。
耕地面積割合が日本一で、農産物では、れんこん、栗、ピーマン、メロン、ほしいも、水産物では、さば類、まいわし、 えび類、あゆ、こい養殖がいずれも生産高日本一といった食の魅力に満ち溢れた県です。

※今回の取材にあたり、茨城県大阪事務所次長の水内さんに取材協力をいただくと共に、茨城県の特産物についてお話をお聞きしました。

▲れんこん
茨城県霞ケ浦周辺は日本一のれんこん産地。
霞ヶ浦をはじめ恵まれた水に育まれたれんこんは、出荷量、産出額ともに全国の約5割を占め、歯ざわりが良く、シャキシャキやモチモチと部位によって異なる食感が特徴です。

▲メロン
茨城県は国内の生産シェアが約4分の1と産出額日本一。温暖な気候と農家の技が生み出す豊かな香りと甘さが特徴の全国一のメロンの産地。春はオトメ、イバラキング、アンデス、クインシー、タカミ、秋にはアールスメロンが収穫されます。上品な甘さと豊かな風味が特徴です。

▲栗
甘くておいしい「いばらきの栗」。茨城県は栽培面積、生産量と共に全国第一位を誇る栗の産地。
明治30年頃から栽培が始まり、栽培技術は非常に高く、大粒で甘くまろやかな品質で定評のある栗を生産しています。全国的に有名な和洋菓子店などで数多く使われています。

▲ほしいも
国産ほしいもの約9割が茨城県産。一枚一枚丁寧に天日で乾燥させた無添加自然食品で、昔から幅広い年齢層に、素朴な味の低カロリーおやつとして愛される健康食品です。

茨城県の特産品については、下記のサイトをご覧ください。

茨城県の食と農のポータルサイト「うまいもんどころ」http://www.ibaraki-shokusai.net/

取材協力:
大子グルメフーズ 栗田 晋一 社長/栄子 様
茨城県大阪事務所 次長 水内 様
企画・制作:フジッコ株式会社

これまでの全国和食探訪記

和食文化国民会議 楽しい・おいしい食卓を提案する健康情報誌BeansLife

「ふじっ子ちゃんの和食探訪記」は一般社団法人和食文化国民会議(通称:和食会議)の賛同企画『和食会議PRESENTS』として公開しております。
また、ビーンズライフに誌面提供しております。