「健康と持続可能な食スタイル提案」
~Try!から始まるわくわくする毎日~

「炭水化物」は足りていますか?

「炭水化物」は足りていますか?

私たちが生きていくために必要なエネルギー源になる3大栄養素(炭水化物・脂質・たんぱく質)のうち、一番比率が多いのが炭水化物です。炭水化物は糖質とも呼ばれますが、お砂糖のように甘味があるものばかりでなく、米や麦のように主食になるものや食物繊維なども含まれます。かつては、糖質=太ると思われていましたが、現在ではカロリー源にならない食物繊維も糖質の仲間として分類されているのです。
つまり、糖質には過剰摂取が高血糖や肥満につながりやすいものと、エネルギー源として利用されにくく、ダイエットや「腸活」に役立つものとがあります。

食後の血糖値の上がり方に注意!

食事をすると血中のぶどう糖が増えて、血糖値が高くなります。一定以上になると、すい臓からインスリンというホルモンが分泌され、過剰な血中ぶどう糖を脂肪細胞に蓄え、血糖値を一定に保とうとします。そのため、糖質の過剰摂取は、脂肪細胞の肥大化につながり、肥満を招きます。
この体脂肪合成ホルモンともいえるインスリン分泌を穏やかにして、食後の血糖値上昇を抑えることがダイエットにつながるという視点から、「低インスリンダイエット」が話題になりました。

血管から細胞へ運ばれるインスリン

ご飯は太る??

ダイエットを始めよう!と思った人がまず始めるのが、糖質制限や糖質カット。主食のご飯を減らすことから始める人も多いようです。「ローカーボ」や「ロカボ」という糖質制限を表す言葉も話題になりました。でも、バランスの良いエネルギー摂取を心がけるなら、一日のエネルギーの約60%(50~65%)は糖質から摂取するのがよいといわれています。糖質は体ばかりでなく、脳のエネルギー源としても重要だからです。理想的なのは、体内でゆっくりと燃えて持続的にエネルギーになる糖質です。それには粒食のご飯がおすすめ。食物繊維の多い玄米や雑穀米などが理想的ですが、白米でも。パンに比べて、ご飯の方が食後の血糖上昇が穏やかなためです。

和食は、エネルギーバランスのよい組み合わせ

毎食、茶椀一杯~一杯半のご飯に一汁三菜を整えると自動的に栄養バランスが整います。和食の副菜には野菜類や海藻・きのこなど食物繊維が多い食材が多く使われるため、カロリー控えめで栄養バランスが良くなり、しかもご飯に含まれる糖質の食後の血糖上昇が穏やかになるからです。

食事を抜けば、おやつを食べても太らない?

一日の総摂取カロリーが同じなら、食事を抜いてその分スイーツで小腹を満たしてダイエットという人もいるかもしれませんが、必要な栄養素が取れなければ体内で糖質をエネルギーに変えることができません。おやつは時々のお楽しみと心得て楽しみましょう。

夏野菜ととろろ昆布のせご飯

夏野菜ととろろ昆布のせご飯

栄養メモ

昆布に含まれるフコイダンやアルギン酸などの水溶性食物繊維には、血糖値やコレステロールの上昇を穏やかにしたり、免疫力をサポートする働きがあるといわれています。また、旨味成分のグルタミン酸も多いので、みずみずしい夏野菜との相性は◎。塩分控えめでも野菜がたっぷり食べられます。暑くて食欲がない時は、冷たい緑茶をかけて冷やし茶漬けにするのもおすすめです。「フジッコ(塩こんぶ)」を少々加えると、旨味と塩味がプラスされてさらに美味しくなります。

じゃがいもの焼きコロッケ

じゃがいもの焼きコロッケ

栄養メモ

紫外線が強くなる夏は、メラニン色素が蓄積してシミが増えやすくなります。メラニン色素の合成には、チロシナーゼという酵素がかかわっていますが、この酵素の働きを抑えてメラニンの生成を防ぐのがビタミンCです。加熱することでじゃが芋のでんぷんが糊状になってビタミンCの流出を防ぐので、茹でるよりレンジ加熱がおすすめです(加熱後のビタミンの残存率が高くなります)。じゃが芋に塩昆布を加えれば、肉が少なくても、旨味たっぷりで美味しく仕上がります。

トマトたっぷり焼きうどん

トマトたっぷり焼きうどん

栄養メモ

焼きそばや焼きうどん作りには、醤油やソース、オイスターソースなどを使うことが多く、塩分が多くなりがちです。そこで、このレシピでは、旨味と香りを活かして美味しく減塩しました。トマトと昆布に多く含まれる旨味成分のグルタミン酸に鰹節のイノシン酸をプラスした旨味の相乗効果に加えて、しその香りや黒胡椒の辛味で薄味でも物足りなさを感じません。

プロフィール

医学博士・管理栄養士
本多京子(ほんだきょうこ)

実践女子大学家政学部食物学科卒業後、東京医科大学で医学博士号を取得。 テレビや雑誌では健康と栄養に関するアドバイスやレシピを多数作成。栄養と料理に関する著書は60冊以上で、近著に「シニア世代の食材冷凍術」(講談社)がある。

本多京子(ほんだきょうこ)

監修:医学博士・管理栄養士 本多京子 先生

ビーンズライフ最新号

Digital book

※デジタルブックの更新は、(6月10日・12月10日)年2回を予定しています。

Vol 76