「健康と持続可能な食スタイル提案」
~Try!から始まるわくわくする毎日~

「ロコモ予防で健康寿命を延ばす!」夏の巻 ~筋肉の若さを保つ食事~

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長寿時代を迎えた日本人にとって、新たな問題になっているのが、平均寿命と健康寿命との差です。元気で過ごすための健康寿命を延ばすには、要支援や要介護になる原因の第一位である『ロコモティブシンドローム』予防が大切です。

新型栄養失調が増えている!

働き盛りの世代の人にメタボが増えている一方で、高齢者と20代の若い女性のやせ過ぎも増えています。若い女性はダイエットが主な原因ですが、高齢者の場合は、食事作りが面倒になってくることや食欲の低下などが主な原因です。 中でも、問題なのがタンパク質不足になることです。タンパク質は18歳~70歳以上までずっと1日にとるべき摂取量は変わりません。筋肉、内臓、骨、皮膚、血液、免疫物質などすべてタンパク質でできているからです。そのため、タンパク質の英語であるプロテインはギリシャ語の「一番大切なもの」という言葉が語源になっています。不足すると、血中アルブミン濃度低下し、貧血 免疫力低下 コラーゲン生成低下、筋肉の減少(サルコペ二ア)の危険性の増大などにつながります。そのため、瘦せた男性(BMI21以下の人)は要介護リスク2倍になると言われています。
低体重(やせ)の者(BMI18.5未満)の割合(20歳以上)
低栄養傾向(BMI20以下)の高齢者の割合(65歳以上、男女計)

中高年の賢いたんぱく質のとり方

年をとっても1日にとりたいタンパク質量は、男女とも18歳の時と変わりません。男性は60g、女性は50gが1日の推奨量とされています(食事摂取基準2015年版)肉や魚を100gとってもその中に含まれているたんぱく質量は15~20g位のものが多いので、サーロインステーキなら毎日300gもとらなければなりません。しかし、それでは動物性脂肪やエネルギーのとりすぎにつながり、メタボを招いてしまいます。加齢と共に基礎代謝は低下するので、高タンパクでも低脂肪のタンパク質食品を選ぶことが大切です。肉や魚のような動物性タンパク質食品と大豆や米のような植物性タンパク質食品をバランスよく組み合わせてとることが必要です。
1日の食べ合わせ 目安量

季節のおすすめレシピ

豚肉と根菜の和風カレー

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適量の肉を2倍の野菜と食べましょう!

豚肉には糖質のエネルギー代謝に欠かせないビタミンB1が多く、牛肉は貧血予防に必要な鉄分が多く、鶏肉は全般的にエネルギー量が低めでむね肉などにはイミダゾールジペプチドという疲労回復に役立つアミノ酸も多く含まれています。豚や牛のロースやバラなど脂肪分の多い部位はカロリーも高めなので、蒸す焼くなど油を使わない料理法がおすすめ。また、肉を食べたら2倍の野菜をとるように心がけましょう!野菜総菜のレトルトパックや野菜ジュースなどを利用すると便利です。

トマトと卵と蒸しサラダ豆の炒め物

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卵とコレステロールの関係

卵は優秀なタンパク質食品ですが、コレステロールが多いからと敬遠する人もいます。確かにL玉1個(60g)に含まれるコレステロールは250mgと高め。かつては1日のコレステロール摂取基準が750mg以下とされていましたから、卵1個で1日の1/3量になり、卵は高コレステロール食品とされていました。しかし、食事からの摂取量より体内で合成されるコレステロール量の方が数倍も多いことから、食事からの制限は必要ないとされるようになりました。1日1個の卵なら安心してとってもよいでしょう。

蒸し大豆とツナのおろし和え

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中高年になったら、植物タンパク質を多めにとりましょう!

「畑の肉」「畑のマグロ」などとも呼ばれる大豆は、植物性タンパク質食品の王様です。タンパク質は20数種類のアミノ酸から合成されていますが、このうち体内で合成できないアミノ酸は『必須アミノ酸』または『不可欠アミノ酸』と呼ばれています。このアミノ酸をどのくらい理想的な比率で含んでいるかをあらわす『アミノ酸スコア』は、大豆も肉や魚、卵も同じです。そのうえ、大豆にはレシチンやサポニン、イソフラボンを始め、葉酸や食物繊維などシニア世代に必要な栄養素がぎっしり詰まっています。

カスピ海ヨーグルトでドリンク3種

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毎日、牛乳とヨーグルトを合わせてコップ1.5杯とりましょう!

良質なタンパク源としてだけでなく、カルシウム源としても毎日とりたい牛乳・乳製品。ロコモ予防のためには、牛乳とヨーグルトを合わせて300mlを目安に毎日とりましょう!牛乳を飲むとお腹がゴロゴロするという乳糖不耐症の人には、ヨーグルトがおすすめです。牛乳の代わりにチーズをとるときは塩分が含まれていることを忘れずに。豆乳には牛乳と同じ量のタンパク質が含まれていますが、カルシウムは牛乳の1/3以下になります。

監修:医学博士・管理栄養士 本多京子 先生

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