「健康と持続可能な食スタイル提案」
~Try!から始まるわくわくする毎日~

「旬菜ふだんごはん」~春の巻~

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春・夏・秋・冬と四季があるわが国では、それぞれの季節に旬を迎える食べ物があります。「旬」とは、その食べ物が一番たくさんとれておいしくなる時期で、価格も手ごろになり、しかも栄養価が高いのが特徴です。旬の食材を取り入れた、体と心にやさしい食生活を本多京子先生にお教えいただきました。

旬ならではの味!掘りたての筍

新しければ新しいほどおいしいといわれる筍。おいしいのは約10日といわれ、掘りたては生で刺身のようにいただきます。ずんぐりした形で太く短いのが美味しいとされ、手に入れたらとにかく早く茹でること。白くやわらかく茹でるには、ぬかか米のとぎ汁でコトコト1時間火にかけ、そのまま一晩置いて冷まします。先端のやわらかいところは吸い物や木の芽和えに、中ほどは煮物やご飯、根元は炒め物にと使い分けます。
旬ならではの味!掘りたての筍

春に旬を迎える野菜

アスパラガス、さやえんどう、菜の花、うど、春キャベツ、新じゃが、新玉ねぎ、みつば、そら豆など

江戸っ子好みの『初ガツオ』

「目に青葉、山ホトトギス、初ガツオ」とうたわれるように春から初夏にかけて珍重されるのが初ガツオ。秋にとれる戻り鰹はIPAやDHAなどが多いのですが、初物を食べると75日寿命が延びるといって、江戸っ子は初物を好みました。水分が多く身がやわらかいのに『堅い魚(鰹)』と書くのは、昔の人は蒸す、干すなど半干しのなまり節や鰹節などに加工して食べることが多かったからです。
江戸っ子好みの『初ガツオ』

春に旬を迎える魚介類

さわら、まいわし、さくらます、にしん、きす、あさり、はまぐり

旬を楽しむ食の知恵

桜の季節に楽しみたいお菓子といえば、なんといっても桜餅や草餅。そろそろ新茶の季節を迎えるので、ちょっと贅沢して「玉の露のようにおいしい」が語源の玉露や抹茶とご一緒に。また、散り際が潔いことから江戸時代の武士に好まれたという桜の花。満開の桜の下でのお花見弁当も楽しみですね!
旬を楽しむ食の知恵

季節のおすすめレシピ

たけのこ鶏そぼろご飯

たけのこ鶏そぼろご飯

栄養メモ

筍には「えぐ味」があるといわれますが、これは筍に多く含まれるチロシンというアミノ酸が分解してできるホモゲンチジン酸とシュウ酸によるもの。米ぬかやとぎ汁の中で皮つきのまま茹でることで酸化を抑えて色白に、糖分の流出を抑えて甘みを残し、皮に含まれる亜硫酸塩が筍を柔らかくします。唐辛子を加えることもありますが、これは辛味でえぐみを紛らわせるためです。上手に茹でるには時間とコツが必要なので、忙しい時は市販品を上手に利用して、旬の味覚を食卓に登場させましょう!

カツオ刺身のとろろ昆布サラダ仕立て

カツオ刺身のとろろ昆布サラダ仕立て

栄養メモ

カツオといえば「たたき」が有名ですが、表面を強火であぶることで皮と身の間にあるうま味や脂が身にしみこみ、香ばしさが加わります。ネギやニンニクがつきものですが、これらに含まれるアリシンがカツオに多いビタミンB1の吸収を高めてくれるので効果的。鮮度の良いカツオは刺身もおすすめですが、グルタミン酸の多いとろろ昆布で巻いて食べるとカツオのイノシン酸との相乗効果でさらにおいしくなります。

春キャベツのミモザサラダ

春キャベツのミモザサラダ

栄養メモ

春キャベツは巻きがふっくらとして葉がやわらかく、みずみずしいのが特徴です。外側の緑色の部分はカロテンが多く、芯の部分はビタミンCが豊富。また、なんといってもキャベツの特徴は胃腸薬の成分にもなっている抗潰瘍因子のビタミンUが含まれていることです。老化の素といわれる活性酸素を消去する作用のあるフェノール系酸化物も含まれています。

監修:医学博士・管理栄養士 本多京子 先生

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